2025年1月から処分対象となった不動産の「囲い込み」、 およそ6割が「受けた」「見聞きした」経験あり

2025年01月16日

「囲い込み」は「不動産業界の課題」と 8割近くが認識

株式会社GA technologies[GAテクノロジーズ](本社:東京都港区、代表取締役 社⻑執行役員  CEO:樋⼝ ⿓、 証券コード:3491、以下「当社」)のグループ会社である、テクノロジーで不動産取引をなめらかにするイタンジ株式会社(以下「イタンジ」)は、2025年1月、国土交通省による宅地建物取引業法施行規則の改正に伴い、不動産売買における「囲い込み」が処分対象(※1)になったことを受け、不動産売買仲介業者を対象に「囲い込み」についてのアンケート調査を実施しました。

◆ 本調査の背景

「囲い込み」とは、一部の宅建業者が自社の利益のため、売主・買主双方の媒介を行うことを目的として、故意に 物件の取引状況を隠し、売主の意向に反して物件の紹介を行わないような行為を指します。
結果として、売主や買主の利益を損なう可能性があり、不動産取引の透明性が損なわれる可能性があります。 
2025年1月より、国土交通省は宅地建物取引業法施行規則の改正を施行し、不動産売買における「囲い込み」は処分対象となりました(※1) 。 
本件を背景にイタンジは、「囲い込み」について「知っている」と答えた不動産売買仲介業者205人を対象に行った、「囲い込み」に関するアンケート調査を発表します。

◆ 「囲い込み」を身近に経験した人は約6割

不動産業界における「囲い込み」の問題について「知っている」と回答した人のうち、57.6%が囲い込みを「受けた」「受けたと感じた」、または「受けているのを見聞きした」ことがあると回答しました。「囲い込み」が業界内に広く存在しており、当事者間の取引体験や、不動産業界全体の評判に悪影響を与えている可能性があることを示しています。 
「囲い込み」を受けていると認識した経緯としては、「仲介業者から問い合わせたら断られたが、お客様に直接問い合わせしてもらったところ紹介してもらえた」「物件の空室確認をしたところ『先約がある』と断られたが、後日、担当したお客様より打診した物件を無事に購入出来そうだと聞いた」などの回答がありました。

◆ 囲い込みに「対応せず」が66.1% 

囲い込みを「受けた」「受けたと感じた」、または「受けているのを見聞きした」ことがあると回答した人に対し、その後どのような対応を行なったかを尋ねたところ、66.1%が「特に何もしなかった」と回答しました。これまでは「囲い込み」が処分対象ではなかったため、報告を行ったとしても解決に結びつかなかったり、長く慣習化しているために「囲い込み」を問題視しづらい状況であることが原因として考えられます。

◆ 「囲い込み」は業界の課題だと思う人は77.1% 

「囲い込みは不動産業界の課題だと思うか」という質問に対し、「思う」と回答したのは77.1%でした。これは「囲い込み」を経験したことがあると回答した57.6%を上回っており、実際に経験したことがなくとも、業界的な課題として認識が広まっていることがわかりました。

◆ 今回の法改正を評価する人は78.1% 

今回の法改正については「とても評価する」「少し評価する」が合わせて78.1%で、「あまり評価しない」「全く評価しない」を合わせた15.1%を大きく上回りました。
「とても評価する」「少し評価する」とした理由については、「不動産業者としては公平・公正な物件情報が担保され、媒介契約を締結する依頼者にとっては機会の損失防止につながる」「不動産業界の健全化につながり、販売促進になるから」などが挙げられました。一方で、「抜け道はいくらでもある」といった理由で評価しない声もありました。

◆ 「法改正で取引が活性化すると思う」が過半数

最後に、今回の法改正が取引の活性化につながるかどうかについて聞いたところ、52.2%が「思う」「やや思う」と回答し、45.9%が「あまり思わない」「思わない」と回答しました。
今回の法改正を評価する声と比較し取引活性化への期待が大きくないのは、取引の透明化にはさらなる改善の余地があり、法改正のほかにも状況を改善するための新たな動きが必要なことがうかがえます。

◆ テクノロジーで取引に透明性を 

本調査により、不動産業界における「囲い込み」は多くの不動産売買仲介業者にとって身近であり、業界の課題として広く認識されていることが明らかになりました。また、今回の法改正が不動産業界の健全な事業運営に向けた重要なステップとして評価されていることもわかりました。
「囲い込み」の問題は、不動産業界における情報の非対称性や、取引の不透明性が大きな原因となっています。「テクノロジーで不動産取引をなめらかにする」をミッションに掲げるイタンジは、これからも不動産取引の透明性向上に貢献するとともに、すべての人が安心して取引できる不動産インフラの構築に向けて尽力してまいります。

(※1)令和6年6月に宅地建物取引業法施行規則を改正され、令和7年1月1日より、宅建業者は国土交通大臣が指定した不動産流通機構が運営するレインズへの物件の取引状況の登録を義務付けられることとなりました。宅建業法施行規則第15条の11第2号の新設(建物の取引の申込みの受付に関する状況の登録)に伴い、宅建業法第34条の2第5項の「指定流通機構への登録」内容が追加されたものになります。そして、「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」の改正によって、上記登録が正しくない場合、宅建業法第65条第1項の指示処分の対象になることを示しています。国土交通省関連資料①:宅地建物取引業法施行規則の一部を改正する省令(令和6年国土交通省令第70号)https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/content/001752494.pdf国土交通省関連資料②:宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方(平成13年国総動第3号)新旧対照条文https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/content/001752518.pdf

◆ 調査概要

・実施期間:2024年12月20日(金)~12月21日(土)
・対象:不動産売買仲介業者のうち「囲い込み」について「知っている」と回答した人
・有効回答数:205
・調査方法:セルフ型アンケートサービスFreeasyを使ったオンラインアンケート

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