〜投資で「ハイリスク・ハイリターン」を重要視する割合が高い東京都は、FXや暗号資産の利用率も1位。各ランキングをまたいだ関連性がみられ、投資意識に県民性があらわれる〜
当社が運営するネット不動産投資サービス「RENOSY(リノシー)」は、20代〜60代の男女9,169人を対象に実施した「47都道府県別の投資意識と実態調査2024」を発表しました。
2024年の金融庁の調査によると、金融商品に対する「投資経験者」が72.0%(※1)となり、2023年より日本の経済政策の一つである「貯蓄から投資へ」の関心の高まりがうかがえます。本調査は2023年から実施しており、都道府県別に投資にまつわる意識調査を行うことで、地域ごとの投資意識の広がりを明らかにすることを目的としています(※2)。
今回は、前回より具体的に投資額や総資産額、利用している投資商品・サービス、投資用の金融機関などについて調査を行っており、その結果からみられる都道府県ごとの特徴を各ランキングをまたいだ関連性も交えながら紹介します。
【調査結果のポイント】
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投資を「現在やっている」ランキング、1位は東京都、2位は愛知県、最下位は秋田県
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「2024年に100万円以上投資した」1位は奈良県。「総資産額が10億円以上」1位は山口県
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20代で投資をはじめた割合の高い都道府県ランキング、1位は東京都、2位は北海道、3位は静岡県
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投資目的の金融機関利用、ネット銀行利用率1位は山形県、2位は鳥取県、3位は秋田県と宮城県
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投資商品ごとの利用率で、NISAの利用率1位が福井県、2位が富山県、3位が長崎県。大都市圏以外での利用率の高さが明らかに
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投資をする上で最も重要なポイントが「ハイリスク・ハイリターンであること」の1位は東京都
◆ 調査詳細
(1)投資を「現在やっている」ランキング、1位は東京都、2位は愛知県、最下位は秋田県
はじめに、投資を「現在やっている」と回答した割合を47都道府県別にランキング化しました。その結果、1位は東京都(53.8%)、2位は愛知県(49.0%)、3位は香川県(46.3%)と続き、最下位は秋田県(25.9%)でした。上位5位以内に大都市圏以外の都道府県もランクインしていることから、地域に限らず投資が活発になっていることがうかがえます。
また秋田県については、投資を「未経験、かつ関心もない」と回答した割合が38.6%と、47都道府県中最も高い割合だったことから、投資に対して消極的な一面が見受けられます。
(2)「2024年に100万円以上投資した」1位は奈良県。「総資産額が10億円以上」1位は山口県
続いて、投資を「現在やっている」回答者に対し、2024年1月〜8月での投資額をランキング化しました。すると、100万円以上投資した1位は奈良県(24.7%)、2位は秋田県(23.1%)、3位は山梨県(23.0%)でした。(1)の設問で投資を現在やっている人の割合が最下位となった秋田県が、2024年に「100万円以上投資した」ランキングでは2位となっており、秋田県内では投資を現在やっている人は少数ではあるものの、投資額が高いことがうかがえます。
また、預貯金額については、2024年に100万円以上貯金したランキング1位は東京都(17.1%)、2位は兵庫県(15.2%)、3位は北海道(14.5%)となりました。
さらに投資を「現在やっている」回答者に対し、総資産額について尋ねました。3億円以上のランキングでは、1位が東京都(3.8%)、総資産額10億円以上のランキングでは1位が山口県(2.5%)となりました。なお、総資産額を「答えたくない」の回答率が最も高かったのは京都府(24.5%)でした。
(3)20代で投資をはじめた割合の高い都道府県ランキング、1位は東京都、2位は北海道、3位は静岡県
(1)の設問を踏まえ、投資経験者(投資を「現在やっている」「過去やっていた」の回答者)に対し、「投資をはじめた年代は?」と質問しました。そのうち若年層から投資を開始した都道府県別の傾向を調べるため、「20代(20歳〜29歳)」の回答割合を都道府県別にランキング化しました。その結果は、1位は東京都(46.5%)、2位は北海道(46.1%)、3位は静岡県(45.9%)となり、(1)と同様に、上位5位以内に大都市圏以外の都道府県もランクインしており、住む地域に限らず若年層の投資が広がっていることがわかります。
(4)投資目的の金融機関利用、ネット銀行利用率1位は山形県、2位は鳥取県、3位は秋田県と宮城県
「投資目的で利用する金融機関のうち、預け入れ金額がもっとも大きい金融機関」について尋ねました。その中でも、ネット銀行と回答した割合が高い都道府県の1位は、山形県(36.8%)、2位は鳥取県(36.6%)、3位は同率で秋田県・宮城県(34.7%)となりました。大都市圏以外の地域において、ネット銀行の利用率が高い結果となりました。
(5)投資商品ごとの利用率で、NISAの利用率1位が福井県、2位が富山県、3位が長崎県。大都市圏以外での利用率の高さが明らかに
各投資商品・サービスの経験有無について、「現在やっている」と回答したランキングを作成すると、2024年に制度変更されたNISAの利用率1位は福井県(48.2%)となりました。2位は富山県(46.9%)、3位が長崎県(46.1%)と続くことから、大都市圏以外でのNISAの利用率の高さが明らかになりました。
その他、外国株・FX・暗号資産・不動産・iDeCoの利用率1位は東京都でしたが、国内株・投資信託の利用率1位は京都府でした。3位までにランクインした回数の多い都道府県は、東京都(5回)に続き、鹿児島県(4回)でした。これらのことからも、地域に限らない投資の広がりがみられます。
さらに、「ポイント投資(※3)」の経験有無(n=9,169、選択式/単一回答)について尋ねました。経験者(「現在やっている」「過去やっていた」の回答者)割合の高い都道府県は、広島県(55.6%)、東京都(53.8%)、愛知県・大阪府(50.0%)と続きました。
(6)投資をする上で最も重要なポイントが「ハイリスク・ハイリターンであること」の1位は東京都
最後に「投資をする上で最も重要なポイント」を尋ね、それぞれの項目の割合が高い都道府県をランキング化し、全体と比較しました。最も重要なポイントが「ハイリスク・ハイリターンであること」(11.6%)「ミドルリスク・ミドルリターンであること」(17.1%)の1位は東京都、「ローリスク・ローリターンであること」の1位は岐阜県(21.9%)、「手軽さ」の1位は山梨県(28.2%)、「節税効果が見込めること」の1位は富山県(17.0%)となり、いずれも全体より8ポイント以上高い回答率となりました。
◆総括
本調査にて、投資額や投資商品・サービスの利用率、投資をはじめた年齢などさまざまな観点から、投資意識の高まりが地域に限らず広がっていることが読み取れました。
また、(5)の投資商品・サービスの利用率と(6)の投資をする上で重要視するポイントの設問同士の関連性もみられました。例えば、FXや暗号資産の利用率が1位であった東京都は、投資をする上で「ハイリスク・ハイリターンであること」を重要視する傾向でした。(6)内で「節税効果が見込めること」を重要視する富山県は、(5)の設問ではNISAの利用率が2位でした。これらことから、投資意識や投資行動に対しても県民性があらわれているようです。
当社では今回の調査結果を踏まえ、今後も資産形成に関する情報提供を続けてまいります。
https://www.fsa.go.jp/news/r6/kokyakuhoni/fdreport/04.pdf
(※2)「『金融スキマ世代』の47都道府県・7地方別、投資への意識と実態調査を実施」(2023年10月3日発表)
https://www.ga-tech.co.jp/news/5yw5z0kh7oj26b96/
(※3)ポイント投資:現金の代わりに企業などが提供するサービスを通じて溜まったポイントを利用した投資
◆調査概要
・調査期間:2024年8月30日(金)〜9月5日(木)
・調査パネル:株式会社GA technologies調べ、株式会社ジャストシステム(Fastask)のアンケートパネルを利用
・対象:20〜60代の男女(学生を除く)
・回答者数:9,169名(内訳:投資を「現在やっている」3,545名、「過去やっていた」726名、「やったことがないが関心はある」2,361名、「やったことがなく関心もない」2,537名)
・調査方法:インターネット調査
※回答率(%)は小数点第2位を四捨五入し、小数点第1位までを表示しているため、合計数値は必ずしも100%とはならない場合があります。
※本調査をご紹介や引用いただく際は、出所を明示していただきますようお願いします。
記載例:GAテクノロジーズ調べ「47都道府県別の投資意識と実態調査2024」
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